独字:
ワイナリー:ブリュンデルマイヤー Brundlmayer
ぶどう品種:ピノ・ノワール30%、シャルドネ40%、ピノ・グリ10%、
ピノ・ブラン10%、グリューナー・フェルトリーナー10%
サイズ:1500ml
アルコール度数:12.1%
総酸度:7.2g/L
残糖度:11.6g/L
白:辛口 スパークリング
ワインの説明
輝きのあるゴールドイエローの外観できめ細かくしなやかな泡が持続して立ち上がります。林檎の蜜のような甘い香りに香ばしいトースト香も。しなやかな酸と果実味の調和が取れており、シャンパーニュに引けを取らない完成度。食中酒としても楽しめます。
ワイナリーの説明
『ワインプロフェッサー』の異名を取り、研究熱心な事で知られるヴィリー・ブリュンデルマイヤーは、若い頃フランスで修業を重ね、最新の醸造技術を学びました。
取得した剪定法やリラ方式(オーストリアでは初めての方法、1本のブドウ樹をY字型に上方に伸ばすことで光と空気の通りを良くし、高品質のブドウを育てること)と呼ばれるブドウ栽培法、無農薬栽培を実践。セラーでは制限的な醸造を行い、最近の傾向としては、ボディのしっかりとした凝縮感のあるワインを造り出しています。
近代的な設備を駆使して、洗練された味わいのあるワインを生み出していますが、ヴィリー・ブリュンデルマイヤーが目指しているのは、研き抜かれたハイテクワインの生産ではありません。彼はステンレスタンクでの発酵後、ワインを木樽(特にオーストリアオーク)で熟成します。
彼の造り出すワインは、世界中のワインコンクールで賞を総なめにし、世界中のワイン関係者を唸らせています。
このように、ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは、今ではあらゆる面においてオーストリアのワインシーンにおけるリーダー的存在になっています。ブドウ畑とセラーにおける、妥協のない品質追求により、世界で競争可能なトップクオリティーのワインを生産することが可能であることを証明しました。
ワイングート・ブリュンデルマイヤーにおける中核はブドウ畑
ブリュンデルマイヤーが所有するブドウ畑のほとんどはテラス状で、車が通れるところから離れた場所にあります。土壌そして局地気候の条件は畑によって実に様々です。ブドウ畑では、緑肥、牛フンそして植物の廃棄物のコンポストといった有機肥料しか使っていません。天然資源である土、太陽、水、植物を単純にそして賢く使っています。人は仕えそして改良はしますが、前面に出るようなことはしません。疲弊したブドウ畑は、木を伐採して根を掘り起こし、新たに若木を植えるまでに、土壌の体力を回復させるために5年間は利用しません。ブドウ畑の周囲には小さな水場を造り、これによって浸食を防ぎ局地気候を改善します。化学除草剤は一切使っていません。
最高の区画畑と火成岩の土壌
最高の区画畑は、カンプタールがドナウタールに向かって南に、扇形に開いている所にあります。西側はクレムスとヴァッハウからの丘陵が続いており、東にはヴァインフィアテルとウィーンへと続いています。 地質学上最も古く、また、最も有名な銘醸畑は「ツェービンガー・ハイリゲンシュタイン」です。この名はランゲロイスの隣の村、ブドウの産地ツェービングからとっています。この麓でカンプ川は曲っており、向きを南北から東西に向きを変え、ハイリゲンシュタイン山から離れてドナウタールへと流れています。遠い昔から信仰や儀式のための中心であり、数百年前から中欧において有名な銘醸畑でした。 土壌は2億5千年から2億7千年前の砂岩です。最高のリースリングは山頂近く、自然保護地域で育ちます。きめの細かいワインは年を経るほどに熟成し、非常に長熟です。 ロイザーベルクとランゲンロイザーベルク・フォーゲルザング畑のワインは、クラシックで輝きのあるミネラリーであるのが特徴です。土壌は痩せた原成岩「ロイスベルガー・ゾイシト‐角閃石」、雲母片岩とロイズベルク石榴石を含むケイ酸塩鉱物の岩石です。ケーファベルクの土壌も同じく痩せた原成岩を、粘土の海底堆積物が覆っています。これによってワインは更に力強く凝縮度が増します。銘醸畑ラムは、ハイリゲンシュタインの隣にあり、無数の岩の破片が混じったペルム期の原成岩の上に石灰を多く含む粘土が覆っているローム土壌です。これにより、ワインはあたたかみと力強さと厚みを持ちます。
ブドウの木の仕立て方
最高の品質のワインを造るためには、ブドウの木をどのように仕立てるか、その選択がきわめて重要な意味を持ちます。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーはブドウの木が地面近いよう抑えています。これによってブドウは、岩石により光の反射と熱が蓄えられ、温まった土の熱を享受することができます。ただし、夕立などによって濡れた土がかからない程度の高さも確保されています。
リラ仕立て
畑の一部には景観の点からも適当と考えられる「リラ仕立て」を採用しています。ブドウの木は、太陽を賛美するように、両手を天に向けてV字に伸ばしている形をしています。これによって光合成する葉の表面が2倍に増え、風通しもよくなり、ブドウの品質が更によくなります。風通しがいいため、葉も早く乾き、うどん粉病にかかるリスクも減ります。 私たちは全ての面で、生命力という財産、生物の多様性(植物の遺伝物質、土壌の生物、自然酵母)、知力および簡潔な作業工程の美学を推し進めるよう心がけています。
最も重要なブドウの品種:グリューナー・フェルトリーナー
ワイナリーの中で最も重要なブドウの品種と言えば、ランゲロイス周辺のブドウ畑原産のグリューナー・フェルトリーナーです。もともとは方言で「マウハーツレーベ」と呼ばれ、ヴァルトフィアテルの端の山の背、南傾斜地にランゲロイスとゼービングが位置するマンハーツベルクの周囲で生息していたブドウから由来しています。飲みやすい「軽くて辛口」なものから、ケーファベルクあるいはラムといった非常に複雑で長熟なものまで、グリューナー・フェルトリーナーは実に様々な性格を持っています。他のどの品種のブドウよりも、畑の個性がはっきり表れるワインです。 世界ソムリエコンクールで優勝しているフランス人のオリビエ・プシエは「ラムは、信じられないほどの厚みとフレッシュさを持ったパーフェクトに醸造されたワイン。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーはおそらくオーストリアで一番のグリューナー・フェルトリーナーを育てている!
リースリング、ブルグンダー、シャルドネ
リースリングは10年前から、痩せた岩石の土壌、特に「シュタインマッセル」や「ハイリゲンシュタイン」の区画畑で育っています。ワイン愛好家が、ワインのルーツ、つまり、土壌と夏の夜の温かさ、そして寒い夜といった畑が感じられるボディを持つクリアで辛口ワインを目指しています。また、ブドウ畑を囲むように咲くアカシアや桃の木の香りを感じられるワインです。 ブルグンダーの品種(グラウ(ピノ・グリ)、ヴァイス(ピノ・ブラン)そしてブラウアー・ブルグンダー(ピノ・ノワール)、シャルドネ)についても、カンプタールの気候条件は非常に適しています。乾燥した爽やかな風は自然にブドウが腐敗するのを防ぎ、収穫時期が遅いため、しっかり品種の個性を持ったブドウができます。ヴァイスとグラウ・ブルグンダーからは毎年「ランゲンロイザー・シュピーゲル」が醸造されますが、このワインは理想的な料理のお伴として、すでに長く多くのメニューに載っています。 シャルドネは300リットルのマンハルトベルガー・オークの樽で熟成されますが、標高の高いブドウ畑で採れたブドウは香りが強く繊細であり、谷に近いテラス畑のブドウは力強く温かみがあります。
赤ワイン ー チャレンジ
生産量のおよそ3分の1を占める赤ワインは、伝統的に家族の中で「甘やかされて」います。ヴィリーの父は「私(ヴィリー)の妻が毎晩赤ワインを飲みたがるために」ツヴァイゲルト、サンクト・ラウレントとブラウアー・ブルグンダーのブドウを植えました。赤ワインに最も適しているのは、風を避けることができる南東斜面であり、この中で最も有名な畑はランゲンロイザー・デヒャントです。気候から見て、限界に近い場所で、個性がはっきりしてしかも高品質な赤ワインを造ることは、ヴィリー・ブリュンデルマイヤーにとっては「チャレンジ」です。 ヴィリーの3人の子供たちとパリ出身の妻エドヴィーゲの名を冠した赤ワインのキュベがあります:キュベ・ヴィンセント(カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン)セシル(ピノ・ノワール)、アンセルム(サンクト・ラウレント)。
アペラシオン
ブドウ畑の価値を引き上げるために、ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは「トラディションズワインギューター」の生産者グループ団体を結成した際の創設メンバーに加わりました。この生産者グループは、区画畑の格付け、いわゆるアペラシオンをおこなうことを目的としています。「格付けされた区画畑」と「一級(エルステ・ラーゲ)の区画畑」との間の区別をおこなっています。最高の区画畑「グローセン・エルステン・ラーゲン」いわゆるグラン・クリュの格付けについては、最高の畑を決めるためには長いこと観察していく必要があるために、まだ取り組んでいる最中です。
ワイングート
「我が家の宝、我が家の財産はブドウ畑!」 ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは1980年からワイングートを家族で経営しています。グートには、ブドウ畑、母屋、最新技術の設備が整ったセラー、家族そして、ワイン製造をリスペクトし年間を通して丁寧に摘まれたブドウから最高のワインを造る努力を続けている従業員が含まれます。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーと家族は、家族経営のワイングートの核を成す土地を愛し、重視しています。ワイングート・ブリュンデルマイヤーのブドウ畑は、ウィーンから北西に70km、ドナウ川を上ったニーダーエーステライヒ州カンプタールのランゲンロイスにあります。ヴァルトフィアテルの丘陵はブドウ畑を冷たい北西風から保護しています。日中、太陽が石だらけのテラス状畑を温め、夜には、冷たい、森の香りがする風がカンプタール、ランゲンロイスを吹きぬけます。日中暑く、夜気温が下がること、ドナウタールとカンプタールが一つになる所など、畑がいろいろな地理的・気候的条件下にあること、すべての要素がワインの個性に反映されています。 「ブリュンデルマイヤーのワインは真似することのできない深さがあり洗練しているという理由でワイン通から、オーストリアでも最も優れたワインに数えられ、更に、オーストリアで最も長熟のワインに含まれる・・・」と定評のある「オーストリアワイン・ガイドブック」の著者ルドルフ・シュトイラーは書いています。
ワイン造りの技
ブリュンデルマイヤーでは、バリエーション豊富なワインが造られています。 単一品種のワインは、ブドウとその産地の個性を伝え、クラシカルな銘醸畑のワインでは土壌とブドウの果実味の共演が中心に据えられ、複雑なレゼルブあるいは最も有名な銘醸畑の力強い11月と遅摘みのものでは、土壌のあらゆる個性が鳴り響いています。 ヴィリー・ブリュンデルマイヤー曰く「ワイン造りの技は、生き生きした土壌で成長した自然の産物、木、ブドウの実、モストそしてワインへと変身していく過程を、メロディを作曲するようにに理解することです。ワインは土壌のこと、暑さ寒さ、嵐と雨、景色そしてワインと係わった人たちのことを語っています」。 醸造は厚い壁に囲まれた地下室でおこなわれます。白と赤ワインの他に、ヴィンテージゼクト「ブリュンデルマイヤー・ブリュット」がありますが、当然、シャンパーニュ方式で造られます。 これに関して「オーストリア・ワイン・ガイド」の著者ルドルフ・シュトイラーとヴィクター・ジーグルは 「・・・・製品の品質そして、世界で競合できるあらゆるジャンルがカバーでき、また、技術と設備の点でも最高であるオーストリアのワイナリーを探していくと、ヴィリー・ブリュンデルマイヤーは素通りできない・・・・・」 ワイン造りに熱心に取り組んできた報いとも言えるのが数々の賞です。「ファルスタッフ」誌では第一回の「年間ベストワイン醸造家」を、ゴール-ミロー/ア・ラ・カルテの一回目の「トロフェ・グルメ」を受賞し、また、ハンブルガー・ワインサロンでは度々グランプリを受賞しています。更に、アメリカの雑誌Wine & Spiritsのワインの年間ベスト100にワイングート・ブリュンデルマイヤーは6回も選ばれています。
ワインセラー 収穫の時期
ブドウの収穫時期は9月から11月にかけてです。基本的にブドウは粒を選りながら手で摘に、小箱に入れます。必要な場合には、摘んだ後で選果し、速やかに地下室に運びます。ヴィリー・ブリュンデルマイヤーはワイン造りには熟した健康な果実しか用いません。より繊細でその畑の個性を持ったワインを造るために、2・3回に分けてブドウを摘むこともあります。ブドウはこの後2つの非常にソフトな空気圧プレスにかけられます。それぞれわずか1バール、友人同士で交わす握手程度の力で果汁が搾られます。摘み取る際に用いた小箱は毎回すぐに、井戸水で洗浄します。香りを失わないために、モストは冷たくはないが、温度を低くした状態でステンレスタンクもしくは木樽で発酵させます。理想的な温度に保たれ、湿度の高い地下でおこなわれます。ワインは、品種によって3-18ヶ月間樽の中で熟成させます。
貯蔵-リラックスさせながら熟成
ワインは品種によって6カ月から36ヶ月間樽の中で熟成します。瓶に詰めた後に、しばらく瓶を立たせた状態で貯蔵します。この間にコルクを、まだワインと接触することなく、リラックスさせ、これによってコルク臭のリスクを抑えることができます。 もう一つ品質という点で重要なファクターは健康にいい、ということです。このためには、環境に優しい方法での畑の耕作、醸造のあらゆる過程を清潔に保つこと、また、もともとブドウに含まれ、自然で健康な保存剤である発酵の際の二酸化炭素を維持することです。発酵の際の二酸化炭素にはこの他、ワインの多数の貴重な成分が結合しており、こちらも維持されます。
ゼクト(スパークリングワイン)
私どもはどの仕事においても人生を肯定することを最も大切に考えているため、ラインナップには、お祝い事などに飲まれるゼクトはどうしても必要でした。毎年9月初旬にゼクトのベースワインのために最適なブドウを摘み取ります。一部のブドウはゼクトのベースワイン用に一番適した時期に摘みます。このブドウは甘すぎず、酸は新鮮で生き生きしているが、あまりきつくてもだめです。
ワイン造りの職人と醸造マイスターは個々のワインを発酵させた後に、ゼクト用にヴィンテージキュベを合わせます。 「ブリュンデルマイヤー・ブリュット」のベースワインは、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブランから成り、クラシックな瓶発酵によっておよそ3年間シュール・リーの状態で熟成させ、その後、6週間に渡って手で動瓶した後に、セラーでデゴルジュマンします。 著名なイギリス人のワインジャーナリストステュアート・ピゴットは「ザ・グット・ゼクト・ガイド」の中で 「ブリュンデルマイヤー・ブリュットはクリーミーでエレガント、最高のヴィンテージのシャンパンに匹敵する。ドイツ語圏で一番のゼクトかもしれない・・・」と記しています。